旧北炭幌内炭鉱変電所
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本作は、北海道三笠市幌内本沢町に現存する「旧北炭幌内炭鉱変電所」を精巧に再現した立体作品です。
幌内炭鉱は、日本の近代化と北海道の炭鉱開発を黎明期から支えた重要な炭鉱のひとつです。広大な炭鉱では、採炭設備だけでなく、鉄道や運搬設備、それらを動かすための電力設備など、さまざまなインフラが一体となって稼働していました。
この変電所は、夕張方面の発電所から送られてきた高圧電流を変圧し、炭鉱内の大型機械や周辺地域へ電力を供給する役割を担っていました。炭鉱の操業を支える、いわば「エネルギーの心臓部」といえる施設です。
模型では、赤レンガと白いコンクリートが生み出す特徴的な外観を再現するとともに、天井を開閉し、内部に作り込まれた変電設備まで見ることができる構造になっています。
閉山後、多くの炭鉱施設が姿を消していくなかで、炭鉱を支えた近代産業遺産の姿を、外観だけでなく内部まで立体的に伝える作品となっています。
本作は、父が2005年に初めて制作した、記念すべき第1号の模型作品です。
その後、長年にわたり数多くの模型を制作していくことになりますが、この作品はそのすべての出発点となりました。これまで多くの展示会でも紹介され、作品を見てくださった方々に親しまれてきた一作でもあります。
歴史的建造物を再現した作品というだけでなく、父の模型制作の「原点」として、家族にとっても特別な意味を持っています。
大正時代に建てられた美しい洋風建築の変電所を、なぜ最初の題材として選んだのか。
そこには、父自身の炭鉱での経験や記憶が結びついていたのか、それとも、失われていく炭鉱の風景を形として残したいという思いがあったのか。
その背景については、これから父自身の言葉も少しずつ記録しながら、この作品が生まれた「原点」をたどっていきたいと思います。
細部まで作り込まれた建物と内部設備を、ぜひゆっくりご覧ください。
作品写真
北海道三笠市幌内本沢町